TICKS ガイドライン - 安全で快適な抱っこのために -

「TICKS」は、英語圏で広く浸透している抱っこ紐の安全ガイドラインです。もともとはスリングの安全使用のために作られましたが、現在ではベビーラップやバックル式抱っこ紐(構造型キャリア、通称:SSC)を含むすべての抱っこ紐に適用されています。養育者が意識すべきポイントをわかりやすく示し、赤ちゃんの安全と快適さを守るための大切な指針です。TICKSを意識することで、抱っこはより安心で心地よい時間になります。

TICKSの安全ガイドライン

T – TIGHT(ぴったり密着)

隙間なく密着することで安心安全

隙間なく密着することで、赤ちゃんの姿勢が安定し、大人も動きやすくなります。適切な密着は赤ちゃんに安心感を与え、安全性を高める大切なポイントです。

赤ちゃん人形で密着した抱っこを抱っこ紐で見せる女性
楽にキスできる高さ
赤ちゃん人形で低い姿勢で緩く抱っこする悪い例を紹介する女性
隙間がありぐらぐら

I – IN VIEW AT ALL TIMES(いつでも様子がわかる)

赤ちゃんの表情や状態を常に確認できる状態に

赤ちゃんの顔が常に見える位置を保ち、呼吸を妨げるものが顔の周りにないようにします。表情や状態をすぐ確認できることで、必要なときに素早く対応できます。

特に新生児は、顔が見えない場合でも無理に頭を回さないようにしましょう。首関節に負担がかかり、けがの原因となる恐れがあります。

抱っこ紐で赤ちゃんの様子がしっかり見える良い抱っこ紐の使用例
表情や様子がわかる
抱っこ紐で赤ちゃんの様子が分からない悪い使用例
顔が隠れて見えない

C – CLOSE ENOUGH TO KISS(キスできるほど近く)

適切な高さで抱くことで双方の負担を軽減

赤ちゃんの頭がキスできる高さに来るよう抱くと、重心が高くなり肩や腰への負担が軽減されます。赤ちゃんもぶらつかず、大人と一体感のある快適な抱っこになります。

赤ちゃんの頭がキスできる高さで赤い抱っこ紐で抱っこする女性
楽にキスできる高さ
黒い抱っこ紐で赤ちゃん人形を低く抱っこする女性
頭の位置が低く遠い

K – KEEP CHIN OFF THE CHEST(胸に顎がつかないように)

呼吸確保のための重要なポイント

顎下には指2本分の隙間を空け、胸に顎がつくような丸まり過ぎの姿勢を防ぎます。首元と背中上部をしっかり支えることで呼吸が確保され、安心して過ごせます。

赤ちゃん人形を用いて抱っこ紐で呼吸が確保されている良い例を見せる女性
首元が支えられ安定
抱っこ紐で顎が胸に近づいた赤ちゃん人形
首が前に倒れ丸まる

S – SUPPORTED BACK(背中をしっかり支える)

赤ちゃんの健全な発達をサポート

背中全体を満遍なくサポートすることは、安全確保だけでなく理想的な姿勢の保持や健やかな発達にもつながります。

抱っこ紐で赤ちゃん人形の背中が均等にサポートされている良い抱っこを見せる女性
背中全体をサポート
抱っこ紐で赤ちゃんの背中が丸まった悪い姿勢を見せる女性
支えが緩く丸まる

M字”がカギ!実は抱っこの全てはここから

M字姿勢が理想的な基盤になることを示す図

赤ちゃんの健やかな発達には、膝がお尻より高くなる「M字開脚姿勢」が欠かせません。この姿勢は股関節の健全な発達を促すだけでなく、自然な背骨の「しの字カーブ」を保つための基盤となります。「M字姿勢」と「しの字カーブ」は密接に関連しており、両方が適切に保たれることで、赤ちゃんにとって快適で安全な抱っこ姿勢が実現します。

まとめ

TICKSガイドラインを意識することで、赤ちゃんにとって安全で快適な抱っこができます。DIDYMOSのベビーラップやスリング、抱っこ紐は、これらの安全基準を満たしやすい設計となっており、正しい使用方法と合わせてご活用いただくことで、安心して抱っこをお楽しみいただけます。抱っこ紐の使用方法や巻き方についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください

 

参考資料