講座概要
日本でも年々増加している帝王切開分娩。
しかし、手術直後に母子の肌と肌を触れ合わせる初期のボンディング(絆形成)」が行われないことにより、母子双方にさまざまな影響が生じることが知られています。たとえば、母親の術後の痛みが強くなったり、授乳の開始が遅れたり、精神的な負担が増すといった問題が報告されています。
本講座では、ドイツで帝王切開直後のボンディングをはじめて導入し、全国的に普及させたエヴァ・ヴォゲルゲザングがその背景・導入プロセス・成果を詳しく紹介します。産科・麻酔科・新生児科・助産師・小児看護師など、複数の専門職が協力して手術室内で母子のボンディングを実現するために行った取り組みを、現場の視点から学びます。
また、日本でこの仕組みを導入する際の課題や、ドイツの実践から取り入れられるポイントについて、日本の参加者とともに議論を行います。
この講座は、「早産児カンガルーケアやベビーラップによる発達支援」 講座の内容を踏まえた発展的な内容となっています。
ボンディングにあまり馴染みのない方は、まずこちらの講座をご視聴いただくことをおすすめします。
こちらはオンデマンド(アーカイブ視聴)形式で受講可能です。


◆開催日時・形式◆
日時: 2025年12月4日(木)、6日(土) 20:00〜22:00
形式: Zoom(オンライン開催)
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初回(4日)の講義は録画配信あり
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2回目(6日)は参加者ディスカッションを含むため、ライブ参加が原則必須です(やむを得ない事情がある場合は事前にご連絡ください)
◆言語◆
ドイツ語(日独逐次通訳付き)
◆参加費◆
一般:6,000円 アドバイザー:5,000円
◆講座内容◆
事前学習(オンデマンド動画視聴)
- 帝王切開の現状と背景(ドイツ)
- ドイツの周産期医療体制と帝王切開の実施環境
- 帝王切開後にボンディングが行われない場合の影響(母・子・医療機関)
- Sectio-Bonding導入の実際:多職種連携とプロセス改善の具体例
- 手術直後に母親の胸の上で赤ちゃんと触れ合うための安全な実施方法
- Didymosのボンディングトップを用いた実践例
- 導入後の効果:母子関係、授乳率、病院管理やスタッフへの影響
- 日本で導入する場合の課題と可能性に関するディスカッション
◆講師◆
エヴァ・ヴォゲルゲザング (Eva Vogelgesang)
1959生まれ、新生児学と早産児の分野で35年以上の経験を持つ小児科専門看護師・IBCLC

- 1987~1991 ザールブリュッケン病院 新生児科副病棟長。
- 1991~2007 シュトゥットガルトのオルガ病院で新生児集中治療室に勤務
- 2007~2010 ザールラント・ホンブルグ大学付属病院産科病棟看護部長
- 2010~ザールブリュッケン病院 周産期センター新生児小児集中治療室看護部長
- 2019より NGO法人 カンガルーキッズ理事
- 多数の論文出版や学術発表、学術ポスター受賞
気になる方はビデオオフでご参加し、質疑にチャットをご利用ください。
ライブ講座の翌営業日にアーカイブ動画を配信します。
参加アンケートにご回答いただくと受講証明書をダウンロードできます。
研修単位:4時間