抱っこ紐での冬の過ごし方:気候に応じた保温対策や防寒グッズの選び方
赤ちゃんと初めて迎える、寒い冬!しっかりとした防寒対策で、風邪などひかずに元気に過ごしたいですね。
ひと言に「冬」といっても、長い日本列島はお住まいの地方により、気候や住宅設備の事情もさまざまです。例えば、北海道は室内が暖房により暖かいので、外出時の防寒対策がメインなのに対して、本州では室内も防寒対策が必要です。 そこで、今回は全国のベビーウェアリングアドバイザーに各地方に合ったアドバイスを聞き、情報をまとめました。ぜひお子さんと過ごす冬の、ヒントにしてみてくださいね。
【目次】
1. 抱っこ紐の防寒に大切な3つのポイント
① 最適な防寒対策は密着した抱っこやおんぶ
寒い冬の時期こそ、赤ちゃんがママとパパの温もりを感じられるベビーウェアリングが一番です。赤ちゃんとぴったり密着して抱っこやおんぶをすると、真冬でも親子共にポカポカと温かく幸せな気持ちになれます。スリングやベビーラップの布製抱っこ紐は、もう一枚洋服を重ねるのと同様の防寒対策になります。
- 冬の寒い時期こそ、赤ちゃんがママとパパの温もりを直接感じられるベビーウェアリングが一番
- ベビーラップ、スリングなどの布製抱っこ紐で赤ちゃんを密着させると、真冬でも親子ともポカポカ。
- しかも、ベビーラップに包まれると、服装をもう一枚を着ることと同じ
② お互いのぬくもりが直接伝わるような抱っこ
大人と赤ちゃんが密着することで、お互いを温め合うことができます。
抱っこ紐で外出する時は、大人はゆったりとしたコート、赤ちゃんはケープや抱っこ紐カバーを用意しておくと、大人の温もりが十分伝わり、大人も赤ちゃんの体温や様子を感じとりやすいです。
また、暑くなったらすぐに脱ぐこともできるため温度調節がしやすく、主に本州でおすすめのスタイルです。寒い地域でも、抱っこ紐から下りることのない小さな赤ちゃんは、お互いを温め合うのが一番保温効果の高い方法です。ケープや抱っこ紐カバーでは寒いと感じる場合は、冷たい雪や風が入らないママコートもおすすめです。
冷帯地方における頻繁な抱き下ろしの防寒対策
北海道のような寒い地域では、抱っこ紐に抱き入れたり下ろしたりする際の寒暖差で、赤ちゃんが身体を冷やしてしまうことがあります。頻繁な抱き下ろしをする際や、一人歩きと抱っこを繰り返す赤ちゃんとのお出かけでは、赤ちゃんにスノーウェアを着せてあげましょう。
③ 赤ちゃんの着せすぎに注意!
寒さを心配して、赤ちゃんが厚着になってしまうことがあります。
赤ちゃんは大人よりも体温が高く、新陳代謝が活発で汗をかきやすいです。さらに密着した抱っこにより保温されるため、必要以上に厚着をさせると暑くなりすぎてしまいます。
また、ベビーラップで包まれている赤ちゃんは、ベビーラップの布でも保温されています。使用するベビーラップの素材や巻き方に合わせて、薄手の服を選ぶとよいでしょう。外出時は、重ね着をすると、室内外の温度差に合わせて着脱し快適に過ごすことができます。
赤ちゃんが寒いときのサインは?
赤ちゃんの手足が冷たいからといって寒いとは限りません。赤ちゃんの暑い、寒いのサインは身体の中心部や顔色から判断します。胸や背中など服で覆われている部分を触って温かければ寒がっていないと判断します。反対に身体全体が冷えて、顔色や唇の色が青ざめている時は寒いサイン、汗をかいている時は暑がっている時です。
2. 気候に合わせた、赤ちゃんの服装
日本は南と北では気候も、住宅環境も、必要な防寒対策もさまざま。全国のベビーウェアリングアドバイザーからの「冬のベビーウェアリング」のアンケート回答をもとに、地域ごとの抱っこやおんぶ時の服装や、防寒対策をまとめました。ぜひ、お住まいの地域の情報をご参考に、快適な冬をお過ごしください。
北海道
屋内外の寒暖差が一番大きい北海道。室内は暖かいので、抱っこやおんぶの時は親子共に薄着が快適です。
外出時は、屋外での滞在時間に応じた防寒対策が必要です。大人のコートの中で抱っこされる赤ちゃんは、厚手の洋服や薄手のアウターで充分ですが、抱き入れたり下ろしたりする回数の多い時はスノーウェアなどを着せる必要があります。ツルツルとした素材のウエアは抱っこ紐の中で滑りやすいため、まだ雪遊びをしない小さな赤ちゃんならボア素材のウエアは便利です。
外での活動時は、手袋や靴下、ブーツ、帽子などを着用して身体を冷やさないようしっかり防寒します。
東北~関西
抱っこやおんぶをする時は、一人の時よりも暖かいため厚着になりすぎないように気をつけるくらいがちょうど良い、と感じるママが多いようです。寒い時には、赤ちゃんに腹巻きをする、親子共に保温性の高いインナーを着る、上着で調節をするなどの対策をしています。
外出時は、室内と同じ服装または気温に合わせた重ね着をして、抱っこ紐の上からダウンやコートを着る方が多いです。赤ちゃんは、ケープやブランケットを使用し、レッグウォーマー、帽子、靴下などを着用し防寒対策をしています。
中国~九州
こちらも赤ちゃんをあまり厚着させることはなく、室内ではベストや腹巻きで身体の中心部を冷やさないよう工夫しているママが多かったです。
外出時も、ニットや薄手のアウターで過ごせる地域では、アウターの上から赤ちゃんを抱っこやおんぶします。その場合は、親子共に滑りやすい素材の衣類を避けるようにするのが、ベビーラップを巻きやすくするポイントです。
冬の間も、日差しのある時間帯は外で過ごすことができますが、風は冷たいので、赤ちゃんはレッグウォーマー、ママは首元を冷やさないようマフラーやストールを着用して防寒をしています。
冬の室内で赤ちゃんに靴下は必要?
アンケート結果によると、どの地域の赤ちゃんも、室内では冬も裸足で過ごしていました。屋外では冷えやすい足先を保温する必要がありますが、暖房のある室内では靴下は不要です。赤ちゃんに靴下を履かせると、滑りやすく、寝返りやハイハイ、歩き始めたばかりの赤ちゃんには思わぬ危険となる場合もあります。また、赤ちゃんは足で体温調節をしており裸足の方が快適とも言われていますので、室内では裸足で大丈夫です。
3. 冬のベビーラップに適した大人の服装
寒い冬は、ニット素材やフリース素材のトップスを着用するママパパが多いですが、ベビーラップを巻く時に、ふわふわとしたトップスや摩擦感のある素材は巻きにくいとのお悩みを聞くことがあります。薄手のトップスでは肌寒い時に、ウールや保温性の高いインナーの重ね着、ニット素材のカーディガンなどは、ベビーラップの抱っこやおんぶを楽しみながらおしゃれもできるのでおすすめです。
4. アドバイザーのおすすめする冬のディディモスの楽しみ方
ベビーラップやスリングの布製抱っこ紐は赤ちゃんを抱き下ろした後でも、ショールやブランケットの代わりになります。冬に心地よい素材や布地をご紹介します。
冬に心地よい、ふかふかコットンの織地
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リスカ:柔らかくふかふかとしたクッション性のあるリスカは、
寒い冬に暖かさを感じられる布地です。
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プリマ・アダ:心地よい弾力性とクッション性の手触りが魅力のプリマ・アダ。ショールやブランケットの用途にも適した中厚の織布です。
保温効果の素材
- ウール混:触れるとじんわり温かく、保温性と放湿性に優れるウール混。外気を遮断し、蒸れにくい素材は、室内外の寒暖差がある時も快適です。
- ウール・シルク混:ウールの快適さに、シルクの滑らかな手触りと温度調節機能をプラスした、高級感のあるトリプルブレンド。
室内での冬の汗対策
繊維のもつ断熱、保温効果により、冷たい外気を遮断してくれるヘンプやリネン混は、代謝がよく冬でも汗をかきやすい赤ちゃんにおすすめです。また、室内から暖房の効いた店内や電車に入った時の汗も吸湿してくれます。
5. 冬におすすめのベビーラップの巻き方
寒い冬は、ベビーラップを重ねて巻くマルチレイヤーの抱っこやおんぶがおすすめです。二枚、三枚と布を重ねる巻き方は、保温性に優れて温かく、赤ちゃんの体重を上半身全体に分散します。
◆フロントラップクロスキャリー
親子一緒に包むように巻く、対面抱っこのFWCC。両側の布を赤ちゃんのお尻と背中に広げるアレンジは、さらに温かくサポート力と体重分散性もアップするため、冬におすすめです。
◆クロスキャリー
赤ちゃんがスノースーツのような滑りやすい生地のアウターを着ている時は、クロスキャリーがおすすめです。対面抱っこならダブルクロスキャリー、腰抱きならクーレスとヒップキャリーは、シートが滑って外れてしまうこともなく安定した抱っこができます。アウターを脱がずに抱き入れて引き締めができるため、大人の上着の中で抱っこする時にも実用的です。
◆リュックサックキャリー
1レイヤーで手軽におんぶのできるリュックサックキャリー。冬は、チベタンフィニッシュやシートを補強するアレンジの巻き方を試してみるのはいかがでしょうか?今まで以上に体重分散性がアップするなど、お気に入りのアレンジが見つかるかもしれません。
◆ダブルハンモック
まるで洋服を着るようにベビーラップを身体にぐるりと巻く、ダブルハンモック。最大限に体重分散して、安定感も高いおんぶは、家事をする時や大きなお子さんのおんぶにもおすすめです。
6. 赤ちゃんと自分に合う、防寒グッズ選びのポイント
ママコート
赤ちゃんと大人、一緒に着られるママコートはどんな時に使えるでしょうか。 おんぶの外出には、おんぶでも着られるママコートは便利です。抱っこのお出かけなら、ゆったりとしたコートや、パパのコートで代用することができます。 また、中国・四国・九州は温暖な気候のため、ブランケットやショールだけでも十分に保温ができます。東北や北海道などの寒い地域では、徒歩の移動には保温性の高いママコートが活躍しそうです。
抱っこ紐用ケープ
抱っこ紐ケープなら、パパやママは好きなアウターを着て防寒対策ができますが、ブランケットやショールなどで代用する方も多いようです。ウールやフリース素材のケープの他に、雪の降る北国では中綿の入った撥水加工のケープを選ぶママも多いです。 ベビーカーやチャイルドシートにも着用できる抱っこ紐ケープは実用性が高くおすすめです。