スリングの使い方と装着方法

赤ちゃんの成長に合わせてずっと使えるリングスリング

お出かけや車での移動など、赤ちゃんを頻繁に抱きおろしするシーンが多い方は、手早く装着ができるスリングが便利です。また、抱く位置を自由自在に調整できるので、スリングで抱いたままの授乳も可能です。正面に向かい合った抱っこや視野の広がる腰抱きなど、赤ちゃんの発達やニーズに合わせてお好みの使い方をお選びください。




1. スリング各部の名称

リング ディディモスのスリングは、アルミ製でつなぎ目のないスリング用の
リングを使用しています。ドイツの商品審査機関TÜV認証工場で生産する、2000kg以上の耐久試験をクリアしています。大きくなってきたお子さんも充分にサポートし、赤ちゃんが舐めても安全な素材のみを使用しています。


布地 ディディモスのスリングが使用するオーガニックコットンシルク などの原料は、農薬や化学処理は一切使わず、赤ちゃんはもちろん、生産者や環境にも配慮した安心の素材です。ディディモスはオーガニック・テキスタイルの世界基準GOTSの認証を受けています。

スリングの各部の名称
ボトムレール
       赤ちゃんを包む布の下側の縁

トップテール
       赤ちゃんが包む布の上側の縁

テール
       リングから垂れる布の端


スリングには大きく分けて二つの使い方があります。

どちらの使い方でもディディモスのスリングは大人の身体にぴったり密着して安定感が抜群です。新生児や小柄な方にフィットしやすい「背中フリップ」の抱き心地も試して、ご自身の快適なスタイルをお選びください。

スリングの基本的な使い方
       
スリングの背中フリップの使い方

2. スリングの正しい使い方のポイント

スリングの正しい使い方
      1. 密着
        赤ちゃんの背中部分のスリングにシワがなく、赤ちゃんを支えながら軽くお辞儀をしても安定していればOK。
      2. 健全なM字型姿勢(深いシート、膝裏まで覆う)
        シートは赤ちゃんの両膝裏からお尻を包み、膝はお尻よりも高い位置です。左右対称なM字開脚になっていればOK。
      3. 赤ちゃんが傾いていない
        赤ちゃんの身体が左右に倒れて傾いていないか確認します。赤ちゃんの骨盤から真っすぐ上の位置に赤ちゃんの頭があればOK。
      4. 対面抱っこの必要性
        スリングは大人と対面する姿勢でご使用いただき、前向き姿勢の抱っこ(カンガルー抱き)のご使用は避けてください。対面抱っこは、股関節の発育に理想的なM字型開脚姿勢と赤ちゃんが呼吸をしやすい緩やかな背中の「し」の字カーブを保つことができます。
        スリングの対面抱っこや腰抱きは視界が広く、赤ちゃんの好奇心を満たすと共に、疲れた時や眠くなった時には大人に抱きつくようにして、眠ったり休んだりすることができます。 スリングの前向き抱っこ(カンガルー抱き)では、理想的なM字型開脚が取れなく、背中は丸まった姿勢になりやすいです。また、前向き抱っこされる赤ちゃんは周りの情報を自分から遮断できません。大人と対面し、正面か腰で抱っこしてください。


巻き方説明書ボタン巻き方の説明書はこちらからダウンロード出来ます。

3. 基本的なスリングの使い方手順

ステップバイステップで使い方とポイントをご紹介します。スリングを始めてご使用になる場合、まずはこちらの基本的なスリングの使い方をご参照ください。基本的な使い方に慣れてこられると、新生児や小柄な方でしたら、身体によりフィットしやすい「背中フリップ」もお試しいただき、快適なスタイルを選んでもよいでしょう。

1)スリングの準備

2)スリングに赤ちゃんを抱き入れる

布束に赤ちゃんを座らせ、姿勢を確認してからスリングを首まで広げましょう。両膝がお尻よりも高く、脚が正しいM字型が取れていることを確認します。

3)スリングの引き締め

布の流れに沿って放射状に引き締まれば、布の滑りがよくスムーズです。端から順番に数回に分けて引き締めると赤ちゃんの身体にスリングがジャストフィットして快適さと安定感がアップします。

4)赤ちゃんの下し方

赤ちゃんを支えて、ワンスステップで安全にスリングを外しましょう。

4. スリングの背中フリップの使い方手順

背中で布を折り返すことによって、大人の脇下の布幅が狭まるため、スリングによるリンパ腺の圧迫等が気になる方にはより快適です。また、赤ちゃんの首を支えるスリングのトップレールが垂直方向に広がるため、新生児の首はしっかり支えることができます。

1)スリングの準備

赤ちゃんの抱き入れやスリングの引き締めは基本のスリングの使い方と共通です。


5. 新生児をスリングで抱っこする

ディディモスのスリングは、赤ちゃんの背中や首をまんべんなく優しく包み、しっかりとサポートすることができます。その上、赤ちゃんの成長や大人の体形に沿うようにアレンジができるので、安定感抜群で首すわり前の新生児の赤ちゃんにとっても常に密着し安心した抱っこできます。

 

6. 首すわり前の赤ちゃんの首枕のアレンジ

新生児期や首すわり前のの赤ちゃんのスリング抱っこには、ネックサポートが必要です。スリングのテールで簡単に首枕を作ることができます。テールの上部を適当な太さに丸め、巻きこみます。厚めの布は少し丸め適当な太さで使います。首すわり後の赤ちゃんのお昼寝にもおすすめです。

スリングのテールで首枕を作る方法
また、カーゼハンカチや薄手のタオルを2~3cmの棒状に丸め、トップレールを引き上げて巻き込むこともできます。

タオルでスリングの首枕を作る方法

季節、スリングの厚さなどに合わせてお好みでどうぞ。



スリングの使い方-引き締め方

新生児期の赤ちゃんの身体にスリングをフィットさせる方法

幅の広いスリングを背中で折り返せば、小さな赤ちゃんの身体にフィットしやすくなり、首のサポートもより安定します。




7. スリングのこんな使い方は危険!

スリングの横抱きや前向き抱っこ(カンガルー抱き)では、自然な体験が取れません。赤ちゃんの身体へ負担がかかることや、安全が確保できないことから、このような使い方をしないようにご注意ください。

スリングで横抱きする女性のイラスト

スリングの横抱きはNG

  • M字姿勢が取れない
  • 背中が丸くなりすぎたり、布が顔にかかったりしやすいので、呼吸を妨げる恐れがある



スリングでカンガルー抱きをする女性のイラスト

前向き抱っこ(カンガルー抱き)はNG

  • 過度の屈曲により、股関節への血流が障害されやすい
  • 手足の自然な動きを妨げる
  • 足部奇形や股関節形成不全の赤ちゃんに危険



Q&A

スリングでも新生児を縦抱きするのですか?

新生児をスリングで抱っこして階段を下りる女性

赤ちゃんと大人は向かい合うようになり、赤ちゃんの足をスリングの外から出し、M字型に開脚させる「縦抱き」は新生児期から基本の抱き方です。小さな赤ちゃんの股関節がまだ柔らかいため、股関節脱臼を予防するため、小児股関節学会が新生児から縦抱きを推奨しています。また、スリングで横抱きされる赤ちゃんは丸くなりすぎたり、布に埋もれやすくなったりすることにより窒息の危険があります。 対面の縦抱きなら、正面でも腰でもお好きな位置で抱っこできます。赤ちゃんの発育段階やご利用のシーンに合わせて選びましょう。

スリングの寄り添い抱き(正面の対面抱っこ)はいつまで?

大人の胸全体で赤ちゃんの身体を支えることができる正面の寄り添い抱きは、赤ちゃんが大人に密着する面積が広くなり、首も支えやすいので、首すわりまでの小さな赤ちゃんにおすすめの抱き方です。

どんな時にスリングで腰抱きの使い方をしますか?

スリングで子供を抱き、カバンの整理をする女性

赤ちゃんが大人の身体を脚で挟み抱きつくような姿勢で抱っこする腰抱きは、赤ちゃんの理想的なM字開脚姿勢が取りやすく、大人にとって身動きの取りやすい抱っこです。 片手と身体の正面が空くので、ちょっとした家事をしたり、上のお子さんと遊んだりするのに適しています。 抱っこする大人と抱っこされる赤ちゃんのアイコンタクトが生まれやすく、好奇心が活発なお子さんや、指差しをはじめた赤ちゃんとのお散歩にもおすすめです。

スリングの腰抱きはいつからできますか?

スリングの正しい腰抱き

新生児から2〜3才まで月齢を問わず腰抱きはできますが、赤ちゃんの身体の発達の観点から、上半身をひねる(体幹の回旋を伴う)腰抱きは、赤ちゃんが寝返りをするようになってからが望ましいです。寝返り前の赤ちゃんは、お腹と肩を大人の身体に向けた姿勢で腰抱きしましょう。

スリングで授乳できますか

スリングを装着したまま授乳できます。

  1. 赤ちゃんとママがリラックスできる場所に座ります。
  2. リングを持ちあげて赤ちゃんが乳首をくわえられる位置までスリングを緩めます。 
  3. 赤ちゃんを手で支えて、気道が確保しやすい縦抱きで飲ませます。縦抱きは正しいポジションでおっぱいをくわえることができるため、新生児の授乳にもおすすめの姿勢です。
  4. リング側のおっぱいはスリングを装着したままでの授乳は難しいので、スリングを肩から外してから飲ませます。
※授乳にもスリングの使い方にも慣れない最初のうちは、赤ちゃんをスリングから下して、赤ちゃんの飲みやすい姿勢を見つけてください。その時、スリングのテール部分で授乳(乳)の目隠しができます。赤ちゃんの顔に布がかからないようにご注意ください。