新生児の抱っこの仕方や注意点を知ろう 

新生児をどうやって抱っこする?赤ちゃんの発達を促す適切な抱っこの方法を知っている?

「抱っこをしても赤ちゃんが泣き止まない。」
「どんな風に抱っこすれば赤ちゃんにとって安全なのかわからない。」
赤ちゃんが生まれたら誰もが必ず「抱っこ」するにも関わらず、抱っこに関する不安やお悩みを抱えている人は案外多いです。


「抱っこ」は、赤ちゃんの健全な成長に絶対に欠かせない育児行為のひとつですが、長年の研究により、抱っこが移動や赤ちゃんをあやすだけではない、ある効果や役割があることがわかっています。

■目次■

抱っこの役割と正しい姿勢

新生児の抱っこの仕方

  1. 肩抱き:密着した縦抱きで赤ちゃんが落ち着きやすい
  2. 新米パパ、ママが手軽にできる横抱き
  3. お腹のガスがでやすい腹抱き
  4. アイコンタクトが取りやすい膝抱き
  5. ベビーラップなら素手抱っこより長時間快適!

生後1か月からの抱っこ

     

    私たちは、”何故?”抱っこをするのでしょうか?
    人類にとって「抱っこ」はどんな役割や効果があるのでしょうか?
    新生児の身体の特徴に合った赤ちゃんの姿勢のポイントとは?
    抱っこの仕方についての適切な情報を知り、 子育てに活かしてみませんか。 

    抱っこで育つ?!赤ちゃんの身体と心

    哺乳類動物の赤ちゃん

    哺乳類の動物の赤ちゃんは生まれてすぐに立ち上がることを知っていますか。 行動生物学上で「離巣性」に分類される馬や牛などの動物は、生後直ぐに立ち、自分で餌を取りに歩きます。離巣性の哺乳類と比べると、人間の赤ちゃんは、立って歩くだけでも約1年程度を要します。

    つまり、人間の赤ちゃんは骨格・筋肉・ 脳などが未発達のままで産まれてきます。 抱っこされて肌のぬくもりを感じるまでは、人間の未熟で小さな新生児は不安でいっぱいです。 抱っこによる触れ合いにより、以下の効果が立証されています。

    • 呼吸や心拍が安定し、体温が上昇し、体重が順調に増加
    • 赤ちゃんが落ち着き、親子の絆が深まる
    • スムーズな授乳スタート
    産後の母子早期接触を行う母子

    そして、成長がすすむと視力や脳が発達し、親の存在を目で見てわかるようになってきます。
    また、赤ちゃんは身体に重力を感じながら、姿勢を保つことを学んでいきます。 大きな頭に対して体は小さく、両脚を体に引き寄せて、仰向けに寝転がっている新生児の姿勢では、 体のバランスを保つことだけ精一杯。 赤ちゃんがリラックスし、眠り、自由に 呼吸し、親とコンタクト出来るように、快適な抱っこ姿勢でサポートしてあげることが大切です。


    親子の絆形成も育む抱っこの方法!

    親子の絆を育む抱っこ

    「赤ちゃんを愛おしい」と感じますか?
    「今はまだよくわからない」と感じていますか?
    我が子に対しては、自然に愛や絆が授けられるような気がしますが、実はそうではありません。赤ちゃんと親も、人と人です。

    身体の触れ合いや授乳、お互いの匂いを嗅いだりすること、アイコンタクト、様々なコミュニケーションのプロセスの中で、絆が段々と形成されていくものです。このようなコミュニケーションの中で愛着や絆形成を深めることに関わる「オキシトシン」というホルモンが、より分泌されることがわかっています。

    「抱っこ」はオキシトシンの分泌にも関わり、親子の絆形成や、我が子を愛おしいと感じる気持ちを助けてくれるものでもあるのです。

    親子共に快適な密着抱っこをすると、自然と「なんだかいつも以上に可愛い・・・」と感想を口にする人は少なくありません。我が子が可愛い、と思える瞬間が増えていくと、それだけで子育てはプラスのイメージになっていきますよね。
    「我が子が可愛いと思えない。私は母性がなくておかしいんじゃないか・・・」こんな悩みを耳にすることがありますが、大丈夫!
    赤ちゃんへの愛着や親子の絆は、パパはもちろん、十月十日いっしょだったママだって、はじめて赤ちゃんに会ったその日から深まっていくものなのです。
    快適な抱っこをしながら、親子の絆を今日も深めていきましょう。

    赤ちゃんは抱っこされる能力を持って生まれる?!

    抱っこは「親」が赤ちゃんにするもの、と思うかもしれませんが、実は赤ちゃんもまた、大人に抱っこされるための能力をたくさん持っていることがわかっています。

    母親にしがみつくサルの赤ちゃん
    お母さんにしがみつく赤ちゃん

    馬やキリンなどのすぐに立ち上がる哺乳類動物を「離巣性」に分類できますが、人間は同様の分類法(動物行動学)で考えてみると、生まれてから一定期間抱っこで育つ「授抱性」という分類に当てはまります。さらには霊長類などと同じ「アクティブな授抱性」だということがわかっています。

    パッシブ(能動的)な授抱性に分類されるカンガルーなどは、抱っこされて育つものの、袋に入って育ち、親も子も、抱き、抱かれる能力は持っていません。 アクティブな授抱性の哺乳類は、親が腕や身体で赤ちゃんを抱き、子は大人に自分からしがみつく能力を持っています。


    抱っこでM字開脚を保つことはなぜ重要?

    「股関節脱臼」という言葉をご存知かもしれませんが、その中身や、どういう状態だと脱臼が起こるのか、また脱臼が起きるとどうなるのか、なぜM字開脚で脱臼を予防できるを詳しくご紹介します。

    仰向け姿勢が不安定な新生児

    新生児の赤ちゃんの身体は、大人とは違います。
    頭の大きさ、手足の長さなど見た目でわかる違いだけでなく、実は骨や内臓など身体内部も違います。例えば多くの関節がまだ骨化されておらず、柔らかい軟骨状態です。そして骨盤は「後傾」と言われ 、お股が真下ではなく前を向き、膝がお腹に近い状態が自然な骨盤の傾きです。
    赤ちゃんが床に寝転んで安定しないのは、この”骨盤の後傾 ”も大きく関係しています。


    赤ちゃんの理想的なM字型開脚の図

    自然なM字開脚では、赤ちゃんの膝 は体側に引き寄せ(屈曲)、同時に開き(外転)、足の裏でもしがみつくように太ももの前面は外を向きます(外旋)。この状態では、大腿骨が理想的な角度で股関節にはまっています。
    赤ちゃんの脚を伸ばした状態で抱っこすると、骨盤の寛骨臼と呼ばれるくぼみに大腿骨が適切にはまらない状態になりやすいため、 股関節脱臼につながる恐れがあります。

    股関節脱臼は動き出す前の赤ちゃんでは症状が分かりにくいです。また、脱臼までいかない骨が正常に発達していない状態の臼蓋形成不全はさらに分かりにくく、大人になってから発見されるケースもあります。

    ドイツなどの中央ヨーロッパでは、赤ちゃんの定期健診(生後4~6週間)に股関節を超音波検診で確認しますが、日本ではまだ導入されていません。だからこそ、家庭で知って守ってあげることが尚更大切です。

    正しいM字開脚については、日本でも小児整形外科 学会がリーフレットを発信して啓蒙しています。詳細はこちらもご覧くださいね! 

    赤ちゃんの抱っこの仕方は縦抱き、それとも横抱き?

    赤ちゃんは体重を大人の身体に分散させて、しがみつく力を活かしたM字開脚の「縦抱き」が基本の抱っこの仕方ではありますが、 生まれて間もない新生児期において、抱っこに慣れるまでは、赤ちゃんを横抱きしても大丈夫です。新生児の抱っこの仕方の大切なポイントは以下です。

    新生児の抱っこの仕方

    1. 肩抱き:密着した縦抱きで赤ちゃんが落ち着きやすい

    パパが新生児の赤ちゃんを肩の高い位置で縦抱っこする

    ゲップさせるような肩の高い位置で抱っこします。赤ちゃんの手が肩の上にかかる高さなら、赤ちゃんは頭を大人の肩に預け、体重を分散でき、気道も確保しやすい抱き方です。密着する面積が大きいので、赤ちゃんはリラックスし、親子の絆が一層深まります。

    片手で赤ちゃんのお尻、もう片方の手で首を支えます。重心が高いので、大人の腕への負担も軽減され、腱鞘炎の予防にもなります。この抱っこの仕方は体のやわらかい新生児でも安心してできる縦抱きの方法です。

    抱っこのポイント:赤ちゃんの手が肩の上にかかる高い位置に抱くと、頭がガックンと後ろにくる心配はありません。


    2. 新米パパ、ママが手軽にできる横抱き

    正しい姿勢の新生児の横抱き

    新米ママやパパ、まだ、小さな新生児の抱っこに慣れない場合、横抱きが一番手軽な抱っこの仕方でしょう。頭が下がらないように肘で必ず支えてあげましょう。

    脚は伸ばした状態にならないように両足を上げて、M字開脚を確保することがポイントです。手と口の出会いを促すため両手が身体の前に来るように抱っこします。

    抱っこのポイント:首は肘で支え、M字開脚のサポートに注意してください。また、気道確保のため、背中が丸くなりすぎないように!


    赤ちゃんの横抱きの悪い例と良い例

    【悪い抱っこ姿勢の注意点】

    • 赤ちゃんの脚が伸びて下がり、M字開脚が保たれない
    • 赤ちゃんの手が胸の前になく、身体がねじれるような形になっている。
    • 大人の腕が股の間にきていて、赤ちゃんの身体のねじれをさらに大きくしやすい
    • 赤ちゃんの頭が後ろに下がってしまいやすい

     


    産院で横抱きしか教えてくれないのはなぜ?

    新生児期、パパやママに一番関わる専門職は助産師です。 しかし病院やクリニックで助産師がお伝えする「抱っこ」とは、主として授乳時の抱き方です。その理由として、赤ちゃんの成長発達のために授乳は最も大切なことであり、最優先でお母様方に獲得して頂きたい手技だからです。 「抱っこ」と「授乳時の抱き方」は目的が違う、全くの別物なのですが、残念なことに授乳手技を優先するあまり、産後の入院期間に「抱っこ」についてお伝えする時間があまりないことが多くあります。 授乳時以外の抱き方は、赤ちゃんのニーズに合わせて様々な抱き方を行うことで、「おっぱいをあげたのに泣き止まない・・・」といったお悩みを解決することができるかと思います。
    阿部久美子(助産師、神戸市)


    3. お腹のガスがでやすい腹抱き

    新生児のガスが出やすい抱き方

    赤ちゃんが泣きやまない一つの原因は、お腹にガスがたまって、ゲップが上手く出ない時です。うつ伏せに抱っこして、前腕で赤ちゃんを支えると、ガスが出やすくなります。パパの大きな腕なら片手で抱いても安定しますので、空いている手で背中を優しく撫でるとさらに落ち着きやすくなります。 お腹がパンパンに張っている時、便秘しやすい赤ちゃんにも腹抱きが効果的です。発達にとって欠かせないうつ伏せ姿勢の練習にもなります。

    抱っこのポイント:大人の片腕に赤ちゃんの頭からお腹までの体重を分散し、首と頭が支えられていることを必ず確認してください。赤ちゃんの顔は必ず外側を向きます!


    4. アイコンタクトが取りやすい膝抱き

    アイコンタクトが取りやすい赤ちゃんの膝抱き
    アイコンタクトが一番取りやすいこの抱っこの仕方は赤ちゃんが目が覚めているときにぜひ取り入れましょう。
    抱っこのポイント:片手で赤ちゃんの頭と首をサポートしながら、膝で背中やお尻を支えれます。


    赤ちゃんを腕で支え、アイコンタクトをとるパパ白人男性パパにおすすめの抱っこ
    パパの大きな腕なら、肩で頭と首をサポートし、もう片方の手でお尻を支えます。赤ちゃんの身体の特徴に合った姿勢を保ちながら顔と顔を合わせることができ、縦抱っこの準備段階にもなるでしょう。


    5.ベビーラップなら素手抱っこより長時間快適!

    新生児をベビーラップで抱っこする女性

    ベビーラップでは、赤ちゃんの背中をお尻から首まで満遍なく支えることができるため、素手抱っこより赤ちゃんがリラックスしやすく、産後ママの身体の負担も少ないです。抱っこじゃないとなかなか落ち着かない新生児はベビーラップを使った抱っこは親子共に楽です。

    ベビーラップの特徴、基本抱きの使い方や赤ちゃんの快適な抱っこ姿勢のポイントについてもっと知りたい方向けに無料オンライン講座をご用意しています。お気軽にご参加ください。

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    生後1ヶ月以降の基本の抱っこは縦抱き

    新生児の縦抱きする女性

    生後1ヶ月頃に、赤ちゃんに縦抱きを要求している表情や気持ちが表れます。赤ちゃんの周囲への関心が高まってきた一方、骨格や筋肉がまだ十分発達していないので、体重を大人に分散できる密着した抱っこが安定してリラックスも促します。広い面積で大人に触れる対面の縦抱きでは、自分自身の身体を体感し、身体のコントールを学習しやすい状況です。脚のM字開脚が保ちやすい縦抱きは赤ちゃんの心身の発達にとってはたくさんのメリットをもたらしてくれます。

    赤ちゃんとの生活にも慣れ、一緒に外出が始まる頃が抱っこ紐の出番でもありますが、おうちの中の素手抱っこでも、ぜひ縦抱きに切り替えましょう。重くなってきた赤ちゃんの横抱きが続くと、M字開脚がサポートしにくくなるだけではなく、長時間の横抱きがママの腱鞘炎の原因になります。授乳時以外は横抱きのメリットはないと言ってもいいでしょう。

    首すわりまでの抱っこのポイント:赤ちゃんの背中や首をしっかり支える必要があります。ベビーラップをはじめ、スリングメイタイのような抱っこ紐は、赤ちゃんの背中をしっかり包み込みながら、体重を上手く大人の上半身に分散してくれるので、赤ちゃんも大人も快適です。


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