インドの女性自立支援プロジェクト

インドの女性たちインド北西部にあるラジャスタン州はインドで2番目に失業率が高く、農村地域では、女性の半分以上は読み書きができません。女性より男子の教育を優先させる傾向が強く、一度も学校に通うことができず、読み書きや知識、権利を知らない女性達は早期に結婚を強いられ、不利な条件の下で労働させられています。

女性は家庭においての育児・健康管理・家計・労働に重要な役割を担っています。女性人口は全人口の半数を占めており、その女性の発展を促さない限り、国の貧困も改善できません。

ディディモス日本代理店は2013年より現地のNGO、グラム・バラ―ティ・サミティを通じて女性やその家族の自立を多様なプロジェクトを通じて以下のような支援しています。

成人女性の識字率向上プログラム

織機で仕事するラジャスタンの女性たち

女性たちの自立の第一歩として欠かせないことは、読み書きや算数の基礎知識です。 織物や刺繍などの自助グループに所属している成人女性が既に経済的なエンパワーメントへの道を歩んでいますが、ビジネスの世界で翻弄されないように、教育面のサポートも必要です。
こうした女性のために2015年5月にラジャスタン州南東にあるコリウム・キ・ダーニ村に女子のための夜間学校が設立されました。この非公式な識字センターでは、約30名(15〜50歳)の女性が仕事の後、毎日2時間の勉学に励んでいます。

正式な学校教育を受けていない女性たちは、ヒンディー語の読み書きや算数を学び、簡単な文書を理解し、自分で契約書にサインできるようになりました。また、識字向上だけではなく、ヘルスケア、衛生、環境などのテーマを中心に、日常生活に役立つ実践的な知識をクリエイティブな教授法を用いながら提供しています。


このプログラムは、以下の分野で大きな成功を収めました。 

インドの学校
  1. 家庭内での清潔感の向上、個人の衛生状態の改善、健康意識の向上
  2. 子どもたちを農村学校に毎日通学させ、宿題をするように管理するようになった、正規教育への母親たちの意識改革
  3. 女性の識字向上や知識取得によって、農村地域における女性の地位や自信の向上

教師の報酬、学校の光熱費、備品や教材費などの夜間クラスの年間費用は一人当たり約1万円。一日に換算すると、一人当たりたったの30円です!


移動式ヘルスキャンプ

ディディモスの慈善活動

ラジャスタン農村部の住民のほとんどは小作人で、ローシーズンの間は大都市の建設現場で働かなければなりません。女性たちは最も貧しいカーストに属し、しばしば慢性疾患に苦しんでいます。これらの村の医療は、医療施設、保健衛生の両面で非常に貧弱です。

2020年の新型コロナウイルスのパンデミック発生時には、感染病予防も急務となり、2つの移動式ヘルスキャンプを開催し、医療施設がない農村地域に小児科医、婦人科医、眼科医、看護師を派遣しました。
コロナウイルスの予防法について、フェイスマスクの着用や定期的な手洗いの重要性について説明がありました。婦人科医は、女性たちの健康上の悩みを尋ねた後、沸騰した水による疾病の予防法、簡単なヨガによるエクササイズ、安くて栄養の高い食事作りなどの実践的な健康管理対策も紹介しました。
女性たちは個別に診察を受け、治療用の薬をもらいました。特に、皮膚病、月経痛、目や耳の病気をもつ人も多く、中には、結核、がん、糖尿病と診断され、精密検査のために病院に紹介された人もいました。多くの子どもたちが栄養失調の影響を受け、黄疸、疥癬、かゆみ、皮膚の発疹、耳や胃の病気など様々な病気にかかっています。薬の服用だけで済まない重病の子どもは小児病院を紹介されました。

 


防寒着の回収や寄付:2021年11月実施!

ディディモスのインドでの女性支援

砂漠気候であるラジャスタンの気温は、夏の間は40度を超えますが、12月、1月の冬の季節になると0度まで落ち込みます。
この極端な厳しい気候においての必需品は防寒具です。真冬でも学校の土間の上で座りながら勉強する小学生、工房でカーペットを織りあげている女性、野外の焚火で調理しているお母さんたちは制服や民族衣装の上から羽織る温かい服を必要としています。
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、農村地域では多くの人々が失業しています。これに加え、運賃の高騰、異常気象などが原因で食料品の値上げが続き、人々が食料を確保することだけで精一杯です。子どもの制服を買えない家庭が増え、学校に通えない子どもが大勢います。


弊社、ディディモス日本代理店を営む株式会社オンフィリアの代表 今成ディナは、支援活動を行うグラム・バラーティ・サミティの日本窓口を担当し、センソウニコなどのアパレルブランドを傘下にもつマツオインターナショナル(株)の協力を得て、セーター やコート、マフラーや帽子、ショールなどの不要になった防寒着の回収を行い、日本からの寄付を現地で必要としている方に100%をお届けしております。

今後も私たちのわずかな心掛けや支援が医療や教育のプロジェクトを通じてインドの貧困層に大きな変化をもたらすことができると信じています。


グラム・バラ―ティ・サミティ

弊社が参加している、女性自立支援プロジェクトのパートナー グラム・バラーティ・サミティ (GBS) (農村地方開発のための共同体)はNGO団体としてラジャスタン州で活動していています。GBSは、女性の社会進出、保健医療、教育、環境プログラムを通じて生活環境の改善に努めています。その活動の中核は、多くの女性が自立して収入を得るためのセルフ・ヘルプ・グループ(自助グループ)の立ち上げをはじめ、女性のための起業支援、非営利の銀行による低利子のローンなど、女性の自立支援・生活向上などを行っています。このプロジェクトより社会進出した女性たちは、家族の健康管理や未来の子供たちへの教育に熱心で、努力を惜しまないということも報告されています。


    ※GBSは国連経済社会理事会の特別の顧問にも就任しています。